【上演決定👑✨】G.Garage///第四回公演『リチャード二世』主宰:河内大和

2022年8月11日(木)~2022年8月14日(日)、ウエストエンドスタジオにて、G.Garage///第四回公演『リチャード二世』の上演が決定した!

『私の王冠は喜んで譲る、だが悲しみはまだ私のものだ。私はまだ「悲しみの王」なのだ。』

リチャード二世は、シェイクスピア作品のどの王にもない不思議な魅力を放つ異彩の王。掴みどころのない巨大な影のような王。

王としての威厳を強烈に発しながらも、間違った決断を下し続け、臣下たちは次々と離反、遂には国を追放したボリングブルックに王位を奪われる。

「下へ、下へ、」淡々と落ちてゆき、素朴な一人の人間に、一つの小さな石のような存在にまで落ち込んでいくリチャード。そして観客に静かに語りかける。己が何者であるか、何者でもないか。

その落ちゆくリチャードの言葉の異常なまでの美しさ、息を呑むほどの虚無感と儚さは、シェイクスピア作品の中でも他に類を見ない。

「ある、ない。ない、ある…自分を何と呼べばいいか、名前が分からない。ああ、いっそ雪だるまの王であればよかった…」

そしてこの作品は、壮大な家族の物語でもある。リチャードと正反対の決断力と実行力をもつ従弟ボリングブルック。強力な愛国心で気を吐き続ける叔父ヨーク公爵。リチャードに最後まで付き添い、新王ボリングブルック暗殺を企てる従弟オーマール。リチャードへの深い愛とともに悲しみの女王となる妻イザベル。などなど、家族たちの愛と哀しみが何重もの円を描くように交差する。

今回の劇場、ウエストエンドスタジオは、コンクリートの壁に囲まれた無機質で無骨な10メートル四方の半地下空間。そこに狭く質素な庭を浮遊させ、アコーディオンとコントラバスによるインストゥルメンタル・デュオmama!milkの音楽とエミ・エレオノーラの歌声によって、歴史の猛者たちが甦り、降り積もる悲しみと明日への希望を紡ぎあげる。

G.Garage///第四回公演『リチャード二世』

劇場:中野ウエストエンドスタジオ
公演期間:2022年8月11日(木)~2022年8月14日(日)

CAST:
河内大和
真以美
鈴木彰紀
横井翔二郎
野村龍一
風間晋之介
齋藤慎平
松之木天辺

長谷川朝晴

エミ・エレオノーラ
清水寛ニ

STAFF:
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:河内大和
楽曲提供:mama!milk、エミ・エレオノーラ
照明:鷲崎淳一郎(ライティングユニオン)
音響:古川直幸
美術・衣装:河内大和
演出補佐:小田伸泰
稽古場代役:渡部哲成
舞台監督:株式会社ステージワークURAK
宣伝美術:魚住和伸
宣伝写真:BUN
制作:LUCKUP
企画・製作:G.Garage///

公演スケジュール:
8月11日(木祝)13:00/18:00
12日(金)14:00/19:00
13日(土)13:00/18:00
14日(日)12:00/17:00
チケット料金(全席指定):6,500円、U-25(25歳以下) 4,500円
チケット発売日:2022年7月10日(日)10:00

▼G.Garage///『リチャード三世』稽古場PV

G.Garage///

身一つで宇宙を作り出し、重力さえも変容させようと意気込む表現者の重力倉庫。
“斬新さというものは、王道の中にこそ存在する”
それを信じて、劇場という特別な空間で、
今日もはちきれんばかりの命の光を発しながら、
私たちのシェイクスピアに挑みます。

2013年、俳優の河内大和が主宰となって立ち上げたシェイクスピアユニット。

この疑問が始まりでした。

英国の古典であるシェイクスピアを、その世界観をより深めて、日本人が日本語で上演することは、果たして可能なのか?シェイクスピアの詩のような言葉の海を、人間の言葉として普通に喋りながら悠々と泳ぎ渡るには、どうすればいいのか?

見知らぬ言葉との出会いを楽しんでいたであろう400年前のあの時代の、熱狂、昂揚、なぜか今でも共感する人間ドラマの数々。

シェイクスピアは超絶面白い!それを共有できたらどんなに幸せか!そのためにはどうすれば?

シェイクスピアは飽きれるほど長々と喋る。でもある一線を超えると、どんどん心地良くなっていく。絶え間ない特殊な訓練を続けた俳優たちが、今を生きる私たち日本人の感覚で、日本人の身体を通して発することで、日本語によるシェイクスピアの世界がグングンと広がっていく。そして、人間の底力というものに確実に触れさせてくれる。発するこちら側が、ちゃんとやりさえすれば。そこに真っ向から挑み、様々なジャンルの表現者たちと垣根を超えた創作を行っていく。

これまでに、人間誰しもが抱える心の闇を、サックスとドラムの深遠な音色と鼓動で炙り出した『リチャード三世』や、コンテンポラリーダンサーをゲストに迎え、マクベスの内なる野心を、魔女1人の耽美で滑稽な姿にマクベスの鏡像を写し出した『Waltz for # Macbeth』などを上演。

河内 大和 Yamato Kochi〈G.Garage///主宰〉

俳優。1978年山口県出身。
新潟にて栗田芳宏に師事。04年より「能楽堂シェイクスピアシリーズ」にて、マクベスやハムレットなど数々のタイトルロールを演じ、海外公演にも多数参加。
11年に上京後、13年に「G.Garage///」を旗揚げし、演出も手がける。

近年では、NODA・MAP公演メインキャストでの出演など、活躍の場を広げている。
これまでに70作近くのシェイクスピア作品に出演。シェイクスピア全37作出演制覇まで、あと11作。

主な出演舞台
『ヴェローナの二紳士』(蜷川幸雄演出)
『ペール・ギュント』『春のめざめ』(白井晃演出)
『リチャード三世』『真夏の夜の夢』(シルヴィウ・プルカレーテ演出)
『ヘンリー八世』『終わりよければすべてよし』(吉田鋼太郎演出)
『ダム・ウェイター』(大澤遊演出)
『君子無朋』(東憲司演出)
『赤鬼』『THE BEE』(野田秀樹演出)

G.Garage/// 第3回本公演『リチャード三世』のインタビュー

ーーー『リチャード三世』で、観客には何かしらの力を与えられたらと河内は言う。
河内「明日に向かう元気が得られたらいいな、と単純に思います。芸術でもおもちゃでも良いものに触れると意欲が湧くじゃないですか。少し前のめりになれる。難しいことではなくてそういった単純なことだと思います。シェイクスピアって言葉も多いし、お客さんも頭で考えがちですが、それをぶち破りたい。お客さんが脳みそを働かせる前に楽しませる。素直に面白かったと思ってもらいたいです。まあ“シェイクスピア浴”をするつもりで(笑)全身で浴びていただければと思います」

Gallery

新着ニュースカテゴリの最新記事