松竹創業130周年記念「大阪は踊る!」取材会レポート “道頓堀から石油が湧いた!?”

豪華キャストが集結!笑劇エンタメ・ファンタジーがついに舞台化

10月、大阪松竹座で上演される舞台、松竹創業130周年記念「大阪は踊る!」の取材会が行われた。

“道頓堀から石油が湧いた!?”を発端とする高遠響の原作小説(2009年)を江頭美智留の脚本により初舞台化。“道頓堀油田開発計画”に大張り切りの大阪市長に地元・道頓堀商店街の”大阪のおばちゃん”たちも加勢し、それに対抗する”アンチ大阪”の政府、はたまたアメリカまでを巻き込んでの、笑劇エンタメ・ファンタジーが繰り広げられる。

浜中文一、座長公演で”松竹座愛”を語る

主演の浜中文一にとって松竹座は、関西ジュニア時代から約20年、春、夏、冬と年間通じて舞台に立ってきたいわば”ホーム”。
「風呂がいいんですよ、広々して」
と絶賛。今回は座長として、大阪市役所”どないしょう課”勤務の前田拓郎を演じる。

浜中文一 単独インタビュー「大河ドラマ出演中の浜中文一、自分と真逆のキャラで大阪松竹座に凱旋! マジメな市職員が道頓堀の未来を握る? 大阪らしい笑いと人情がいっぱいの舞台」

松竹座前のキャスト陣。左から、海原はるか、前田耕陽、有沙瞳、浜中文一、松本梨香、曽我廼家寛太郎。

自身が演じる前田拓郎について浜中は

「市役所の仕事をしながら、商店街のトラブルや道頓堀の問題に向き合っていく。真面目で一生懸命。かわいそう。変わるかもしれませんが、今のところかわいそうです(笑)」。

多士済済な共演者らをまとめる”座長”の意気込みを問われると

「まとめるなんて無理(笑)。皆さんの力を借りて、演出の川浪さんにお任せして」

と会場を和ませた。

大阪好きが演じる”大阪ぎらい”

共演者らは元宝塚歌劇団、声優、漫才師など普段の活動もバラバラで個性豊か。

テレビリポーター役の麻生直美役は元宝塚歌劇団星組の娘役スター、有沙瞳。

「共演のみなさんが本当に楽しくて。世の中に真実を伝えたいという思いのある役。芯が強くカッコいい、周りを元気にするような女性を演じたい。」

”大阪ぎらい”の内閣官房長官・藤木玲子を演じるのは声優・松本梨香。実は舞台出身で今回は大阪松竹座初出演。横浜育ちの”ハマっ子”だが「大阪の方ですか!?」とよく聞かれるといい「大阪が大好き!」だそうだが今回は”アンチ大阪”の役どころ。

「冷たく見えるかもしれないが、実は大阪に憧れていたり好きなんだなというところが見える。役を通して、大阪の人情や温かさが際立てば」と意気込む。

大阪在住20年の前田耕陽は「出たかったのに機会がなくて、やっと」と念願の松竹座初出演。総理大臣・村井賢二郎役を担う。

演出の川浪から「標準語で渋い演技ができてカッコよく締められて、しかも大阪のことを知ってる人。」とコメントされ

「大阪に来て最初は飲み屋でのおじさんたちの会話が怖くて(笑)。でも段々と変わってきた。村木も”大阪が嫌い”という設定ですが、徐々に変わるのでは。ぼくは皆さんに好かれる総理大臣を演じたい。(ストーリー同様)オイルマネーが入ったら?公共事業とかに使っていただく。例えば道頓堀を大掃除して泳げるような川にしたり」

と受け答えもすでに総理大臣風だ。

道頓堀商店街組合の会長・柳田浩介役を演じるのは、海原はるか。

「観ていただいて明るくなってほしい。ボクは元気だけがとりえ。一生懸命やります。」

松竹新喜劇の曽我廼家寛太郎は大阪市長・館山修役。

「まさか大阪市長の役を演じるとは(笑)浮かれたり、大阪市のために頑張ったり、女癖の悪さを突かれたり、人間臭いところを出していけたら。」

演出の川浪ナミヲは、作品について

「(都市の)一極集中が言われるが、今回の舞台が、どの街に住む人にとっても”自分たちのまちの幸せ””まちの力”を考えるきっかけになれば」と松竹創業130周年の記念公演に込める思いを語った。

公演期間の10月上旬は、大阪万博もまさに大詰め(会期10月13日まで)。
10月、大阪へ来る方は、大阪・関西万博と「大阪は踊る!」のセットでいかがだろうか。

公演情報

大阪松竹座10月公演『大阪は踊る!』

日:2025年10月4日(土)~12日(日)
場:大阪松竹座
料:一等席12,000円 二等席7,000円
  三等席3,000円(全席指定・税込)
HP:https://www.shochiku.co.jp/play/theater/shochikuza/
問:大阪松竹座
  tel.06-6214-2211(10:00~17:30)

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