音楽とリズム、そして誰もが共感できるユーモアと上質なエンターテイメントを追求するべく2002年に発足した「TAP DO!」。芸人やタップダンサー、ミュージカル俳優、ミュージシャンなど第一線で活躍する多彩な才能が集結し、タップダンスやパーカッションのリズムと、歌や生演奏の音楽、ジャグリングやバトントワリング、パントマイム、チアなどのパフォーマンスを極上のコメディに仕立て、誰もが楽しめるエンターテイメントに昇華させたステージは世界最大の演劇フェスティバル「英国エジンバラ・フェスティバル・フリンジ」で最高格付けの5つ星を獲得するなど、世界からも賞賛を受けた。
2022年に予定されている発足20周年記念公演を前に、19回目の劇場版は直前スペシャルとして、所属する7人のメンバーのみによるステージが開幕する。リーダーで舞台の演出・構成を手掛けるポケが「原点に立ち返った、より中身の濃い舞台になる」と力を込める本公演はファンのみならず、必見の作品となりそうだ。
人に楽しんでもらいたい
――――タップダンス、ジャグリング、歌、生演奏、コメディとあらゆるエンターテイメントを詰め込んだステージが特色ですが、ここに行きついた理由を教えてください。
「僕がタップダンスのレッスンに通っていた時、発表の場として仲間達と何か面白い事をしようと、タップダンス以外にもそれぞれが持つスキルを表現に取り入れた事が始まりでした。僕は人に楽しんでもらうことが一番好きなので、より良いものを追求していたら、今のようなあらゆることを詰め込んだショーの形になってました。元々パントマイムだったり人々の想像力をかきたてるものが好きだったこともあって、そういう感じのコメディも取り入れています。チャップリンとかにも影響を受けましたねぇ。」
言葉を必要としないステージ
――――台詞がほとんどなく、動きや音楽だけで楽しめるステージは老若男女問わず、海外の方からも支持を集めています。
「僕らは色んな場所で公演をしているのでお客様との出会いも一期一会。だから固定ファンしか分からないようなネタや作品は避け、初めて観てくれたどんな方にも楽しんでもらえるものを届けたい、という強い思いがあります。そんな思いが、気付けば海外のお客様にも楽しんで頂ける、言葉をあまり使わないショースタイルになっていました。いわゆるノンバーバルステージです。
初の海外公演は2008年の『英国エジンバラ・フェスティバル・フリンジ』。最初はどこまで受け入れてもらえるか不安でしたが、現地新聞の公演批評で四つ星を頂いたことで沢山のお客様に来て頂きました。紙面では<インテリジェント シリネス=知的なおバカさんたちの最高のコメディーパフォーマンス>と紹介されていました(笑)。現地の方々はショー文化が根付いているだけあり、楽しいものは拍手喝采を送り、そうでなければすぐに帰る。厳しくも温かい姿勢に感動を覚えました。のちに最高格付けの五つ星を獲得したときの興奮は今も忘れません。」
原点を知る7人だからこその呼吸に注目
――――コロナ禍で迎える本公演はどのようなステージになりそうですか?
「節目節目の周年公演では外部からゲストを招いて打ち上げ花火の様な賑々しいステージをおこなってきましたが、それは来年のお楽しみにとっておいて、今年は敢えてメンバーだけの公演になります。苦楽を共にしてきた仲間達だからこそ出来る呼吸や間合いなど、7人にしかできないレアなステージになるはず。うちはミュージシャンがメンバーにいますが、彼らもタップやジャグリングをおこない、僕らも演奏に参加します。そんなボーダレスな環境だからこそ、パフォーマンスに対しても、音楽に対しても型破りなアイディアが飛び出し、それぞれの分野に垣根を作らずに面白いものができると信じています。一人何役もこなさないといけないので、いい大人が汗まみれになって奮闘しますが、その分、濃く、よりTAP DO!らしいものが出来上がるはずです(笑)
このご時世なので、以前の様にお客様に参加してもらう演出は制限されますが、声を出さずとも体を動かしたりして一緒に楽しめると思います。」
――――最後に今後の目標と読者へのメッセージをお願いします。
「公演だけでなく、多方面からワークショップや指導・振付等のお話を頂けることは幸せな事であり、コロナ禍の中でも僕らのステージが笑顔の一助になれば幸いです。収束したらまた海外公演も復活させて、エジンバラはもちろん、ニューヨークやラスベガス公演などもやってみたいですね。
僕らのステージを観て笑顔で帰路につき、ふとした時に思い出し笑いをしてもらえたら、それが僕らのハッピーです。来年の20周年は過去最大級のハッピーをお届けすると約束します。本作はその20周年をより楽しむ為の前夜祭。遊園地やサーカスに行く感覚でお越し頂ければ嬉しいです。皆様のご来場を心からお待ちしております。」
(取材・文:小笠原大介 撮影:安藤史紘)
「落語。先日、素人落語会で落語を披露する機会があり、めちゃくちゃ緊張したけど楽しかったので。あと、パフォーマンスの幅を広げる勉強にもなるかな、と思ってます」
プロフィール
ポケ
大学を卒業後、養成所に入所。芝居、ダンスを学ぶ。演劇やお笑いの舞台で経験を積み、ジャグリングを独学で学び、2002年TAP DO!を旗揚げ。リズムと音楽とコメディを主とした公演を重ね、日本では数少ないリズムコメディショースタイルを確立。英国やシンガポールなどでの海外公演も成功に収める。また、一人舞台も精力的に行なっている。
TAP DO!(タップ・ドゥ)
芸人・タップダンサー・ミュージカル俳優・ミュージシャンで構成されたスーパー・エンターテイメント・ユニット。そのハイクオリティなパフォーマンスで、2006 年東京都公認ライセンス ヘブンアーティスト取得。2014年、2015年と2年連続で英国エジンバラ・フェスティバル・フリンジに参加し、最高格付の五つ星を獲得。タップダンスやジャグリング、パントマイムに加え生演奏の音楽をコメディに仕立て、年齢・性別・国籍を超え老若男女から支持される総合エンターテイメント集団。
公演情報
TAP DO! 劇場版19 ~下北沢に19(いく) ザンショ(残暑)~
日:2021年9月5日(日)13:00/17:00開演(12:30/16:30開場)
場:北沢タウンホール
料:大人6,600円
中学生以下3,300円(全席指定・税込)
HP:https://tapdo.com/
問:TAP DO!事務局 tel.03-4500-5628