ずっと取り組みたかった作品を、信頼できるキャストとともにーー 数奇な運命に翻弄された双子が歩んだ、人生の本質に迫る物語

ずっと取り組みたかった作品を、信頼できるキャストとともにーー 数奇な運命に翻弄された双子が歩んだ、人生の本質に迫る物語

 人間は育った環境でどこまで変わるのか。1983年にロンドンのミュージカルのメッカ、ウエストエンドで初演されて以来、運命に翻弄される双子が織りなすドラマとして世界中で愛されているミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』は、そんなことを考えさせられる作品だ。

 主人公は同じ母から生まれた双子。ある事情から生まれてすぐに2人は離され、別々の環境で育てられた。お互いに血の繋がりがあることを知らずに出会った2人は友情を育むようになるが、それぞれが歩む道は大きく違うものだった。そんな2人を待ち受けていた衝撃的な運命とは……

 双子の片方であり、貧しさから転落した人生を歩むミッキーを演じるのは、もはや我が国のミュージカルシーンに欠かせない俳優、柿澤勇人だ。

 「初めてこの作品を観た時、凄く面白くて同時に大きな衝撃を受けました。それ以来ずっとこの作品をやりたいと思っていたので、まさに念願が叶ったといったところです。しかも今回は日本初演のとき(91年)にミッキーの兄、サミー役として出演されていた吉田鋼太郎さんが演出です。この巡り合わせには感謝です」

 その吉田と柿澤は何度も同じ舞台に立ち、昨年には『スルース~探偵~』で初めての二人芝居にも挑んだ間柄だ。おそらく特別な緊張感が生まれていることだろう。

 「鋼太郎さんには僕の人間性から芝居まで全て見抜かれています。役者として対峙するのは怖いのですが、その一方で絶大な信頼があります。同じ作品を創り上げることができることは非常に嬉しいです」

 双子のもう一人・エドワードはしっかりとした教育を与えられ、大学に進学し、やがて議員となる。演じるのは、俳優としての活躍も目覚ましいウエンツ瑛士だ。

 「ウエンツとは、ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』で一緒だったのですが、ダブルキャストを組んでいたので同じ舞台で演じる事が無かったんです。だから今回が初めての共演になります。よく連絡をとったりする間柄なので、この作品で双子の片方がウエンツであることは、もうこれ以上ないキャスティングだと思います」

 気心知れた2人が演じる双子が辿った数奇な人生。生まれてすぐに離され、別々に育てられるとは、まれに話題に上がるシチュエーションではあるものの、身近で巡り合うことはなかなか無いと思うが、どうだろう。

 「そうですね。さすがにそういった話を身近には聞いたこともないですが、この作品の中に出てくるミッキーと兄のサミーの関係なら、僕にも兄が居るのでよくわかります。普段から仲良くしているのですが、やはり最終的には兄の言うことに従うという感じですね」

 そんな柿澤が信頼できるキャスト、スタッフとともに送る『ブラッド・ブラザーズ』。念願の作品に寄せる心境を聞いてみた。

 「やはり演劇は、舞台と客席が同じ時間を共有して気持ちを発散できると思うんです。この作品は必ずしもハッピーに終わる作品ではありませんが、生きることの深みに迫っていく作品だと思います。役者にとっても、そして演劇ファンの皆さんにとっても大変な時期が続きますが、日常を忘れることができる2時間半をお届けします」

(取材・文&撮影:渡部晋也)

プロフィール

柿澤勇人(かきざわ・はやと)
神奈川県出身。劇団四季の『ライオンキング』を観たことをきっかけに俳優を志し、高校に通いながら舞台芸術学院の夜間部で演技を学び、劇団四季の研究所に入所。劇団作品への出演を経て、退団後には俳優としてテレビドラマや映画、そして舞台俳優として活躍。数々のミュージカル作品に出演し、ミュージカルシーンに欠かせない俳優として人気を博している。

公演情報

ミュージカル 『ブラッド・ブラザーズ』

日:2022年3月21日 (月・祝) ~4月3日 (日)
場:東京国際フォーラム ホールC
料:【カンフェティ取扱チケット】S席12,500円
  ※特典:オリジナルグッズ付き
 (全席指定・税込)
HP:https://horipro-stage.jp/stage/bb2022/
問:ホリプロチケットセンター
  tel.03-3490-4949(平日11:00~18:00/土日祝定休)

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