5年ぶり待望の再演! NBAバレエ団『ロミオとジュリエット』 「振付からセリフが聞こえてくるかのような表現を」

 マーティン・フリードマン振付により、2017年に日本初演を迎えたNBAバレエ団の『ロミオとジュリエット』。ジュリエット役は竹内碧で、初演に続き5年ぶりに再び本役に挑む。

 「5年前は憧れだったジュリエットを踊ることができる嬉しさと、果たして自分に踊りきることができるのだろうかという不安な気持ちが入り混じり、ただただ無我夢中でリハーサルをしていた覚えがあります。たぶんこれまで踊った中で一番練習した作品ではないでしょうか(笑)。本当に大切で大好きな作品です。今回は2度目のジュリエット役になりますが、踊りも気持ちもより深いところまで表現していけたらと思っています」

 初演時は振付家が来日指導し、日本初演キャストとしてそのエッセンスを直々に享受した。

 「マーティンさんは常に “音楽から”と言っていました。全ては音楽があって、そこから感情が動いて踊りになると。マーティン版は原作に忠実で、原作のセリフがそのままバレエになっているかのような振付が魅力。音楽にステップが沢山詰め込まれていて、まずそれを自分のものにする必要がある。その上で振付からセリフが聞こえてくるような表現を求められるので、そこがとても難しいところです」

 ロミオ役を踊るのは宮内浩之。初演に続きペアを組み、シェイクスピアの物語世界を紡ぐ。

 「宮内くんとは色々な役で一緒に組んでいますが、常に平常心で本番も普段と変わらず落ち着いているのでとても安心して踊れます。さらに熱いハートの持ち主で、お互いに意見を出し合ってより良いものにしようと共に向上していけるので感謝しています」

 ジュリエットは14歳でロミオと出会い、周囲の反対を押し切り恋を貫く。キャラクター像をどう表現していくのだろう。

 「まだ子供だったジュリエットが、恋をして、幸せの絶頂に昇り詰め、どん底を味わい、最後に命を落とす。そのたった数日の出来事が、あたかも本当にそこで起きているかのように、リアルかつ自然に伝わる表現を模索したい。ジュリエットと関わる登場人物との関係性や、相手に対する気持ちが状況によって変化していく様子をわかりやすく伝えていけたらと考えています。素晴らしいダンサーたちと一緒に最高の舞台を作り上げていきたいと思っています。NBAバレエ団の『ロミオとジュリエット』をぜひご覧ください!」

(取材・文:小野寺悦子 撮影:瀬戸秀美)

プロフィール

竹内 碧(たけうち・みどり)
東京都出身。3歳より井川けい子バレエスタジオでバレエを始める。Kバレエスクール、ClassA Balletで学び2012年NBAバレエ団入団。2013年ソリスト、2017年ファーストソリストに昇格。主な出演作品は、『くるみ割り人形』(クララ、アラブ、ラタトゥイユ)、『ロミオとジュリエット』(ジュリエット)、『ドン・キホーテ』(キューピッド、友人)、『海賊』(ギュリナーラ)、『ドラキュラ』(3人のバンパイヤ)、『リトルマーメイド』(リトルマーメイド)、『白鳥の湖』(4羽の白鳥、マズルカ姫)、『真夏の夜の夢』(ヘレナ)、『ケルツ』(レッドカップル)、『葉は色あせて』(第1パ・ド・ドゥ)、『ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番』(アクアカップル)など。

公演情報

NBAバレエ団 ロミオとジュリエット

日:2022年3月5日(土)・6日(日)
場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
料:S席13,200円 A席11,000円 B席8,800円(全席指定・税込)
HP:https://www.nbaballet.org/
問:NBAバレエ団 tel.04-2937-4931(月~金9:00~17:00)

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