壮大な世界観の1ページを生バンドに乗せて覗き込む 没入感たっぷりのlove&rock☆show 最新作

 原口勝が主宰・作・演出を務めるlove&rock☆show『果てしない海の向こうへ』が、11月に幕を開ける。鬼の一族である黒田伸介=シンスケ・K・コルソーを軸に、原口が長年手掛けているシリーズの最新作だ。本作は、恵比寿にあるBar Stars☆Tokyoで週末に行われている朗読劇とも物語が繋がっており、長い年表の1ページを覗き込むような作品となる。

原口「2064年に第3次世界大戦が起こり世界が一度まっさらになった……というのを分岐点に、それ以前の話とその後世界が復興していく過程の話をいくつかの作品でシリーズとして描いています。今作はその後のお話になるのですが、核をはじめとした近代兵器を捨てたことで、世界は中世ヨーロッパのような文明になっているんですね。でも、人間のエゴとは愚かなもので、争いは絶えず海賊が闊歩する大航海時代に突入しています。その中で“鬼”と呼ばれる存在がおり、オルメカ王国のレオンは鬼と人間のハーフ。そんなレオンが敵対する和国の青木聖名と出会うことで触発され、変わっていくという物語です」

 男として育てられたオルメカ王国の将軍の娘・レオンを華彩ななが、和国の総理大臣の息子・青木聖名を金子昇が演じる。

金子「僕がこれまで出演してきた作品とは全く異なる種類のエンタメだと感じています。まず世界観が壮大ですよね。物語を追うというよりも、生バンドの演奏や会場の雰囲気を含めて、アトラクションを楽しんでもらう感覚になるんじゃないかと。僕自身も楽しみながらやりたいと思います」

華彩「本作の元になった2015年の舞台『蒼の海』でも、レオンを演じさせていただきました。巡り巡ってまたこの役に出会えたことが感慨深いです。あれから8年が経って、私自身も色々な経験を積んだ分、同じ役だからこそ、もっと挑戦したい、もっと魅力を伝えたいと意気込んでいます」

 前作『月の裏側で』より登場した、時を記す神・ブックマンが、ストーリーテラーとして観客を導く。ブックマン役は村上幸平が続投する。

村上「僕自身もロックが好きなのでlove&rock☆showの醍醐味でもある生バンドと演劇のコラボという試みは演者としても凄く贅沢だと思います。中世ヨーロッパの世界観ということでビジュアルも作り込まれているので、そこもぜひ注目してください」

原口「演劇でもあり、エンターテインメントショーでもあります。目で観て、耳で聴いて、心で感じて楽しんでください」

(取材・文:通崎千穂 撮影:山本一人(平賀スクエア))

プロフィール

原口 勝(はらぐち・まさる)
90年代にモデルとして活躍。2000年にニューヨークに行き世界観を広げる。恵比寿にお客様参加型演劇Bar Stars☆Tokyoを設立。週末に作品の上演を行いながら、年に1~2回は、都内の劇場にて主宰公演を行っている。

金子 昇(かねこ・のぼる)
2001年、『百獣戦隊ガオレンジャー』にて獅子走/ガオレッド役を務める。近年の主な出演作に、舞台『トムラウシ』、『泣いたらあかん』、ドラマ『グランマの憂鬱』、『インフォーマー』など。

華彩なな(かさい・なな)
女優・グラビアアイドル・歌手として幅広く活躍。2013年、自身が座長を務める座組「華彩組」を旗揚げ、2018年には、「ななくみ」旗揚げ公演を開催。2023年4月より、自身で芸能プロダクションNANA produceを設立し独立。同年7月には、6冊目となる写真集「キセキ」を発売。

村上幸平(むらかみ・こうへい)
第7回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞、芸能界デビュー。『仮面ライダー555』の仮面ライダーカイザ/草加雅人役をはじめ、『ウルトラマンメビウス』、『動物戦隊ジュウオウジャー』など特撮作品に多数出演。舞台では、ミュージカル『新テニスの王子様』、舞台『信長未満-転生光秀が倒せない-』などに出演。

公演情報

love&rock☆show『果てしない海の向こうへ』

日:2023年11月22日(水)~26日(日) 
場:六行会ホール
料:S席8,500円 A席7,500円 B席6,500円
  (全席指定・税込)
HP:https://loverockstars.studio.site/
問:love&rock☆stars
  mail:loverockstars.neo@gmail.com

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