真珠湾攻撃へ向かう潜水艦乗組員たちの青春グラフィティ 戦時下の熱き若者たちを描いた人気作を新キャストで上演

 2001年の初演から何度も再演を繰り返し、劇団EXILEの公演でも知られる『あたっくNo.1』を、作者の樫田正剛が主宰する方南ぐみが6年ぶりに上演。真珠湾攻撃に向かう潜水艦の乗組員たちを描いた同作に挑む小松準弥は、樫田が作・演出を務めた7月の朗読劇『あの空を。』に続く参加となる。

 「『あの空を。』は稽古1日、本番1日という短い日数でしたが、それでもここまでチームが出来上がるのかと驚きました。今回もきっと同じくらい走り続けたくなるんだろうなと、稽古に入るのが楽しみです」

 実際に潜水艦に乗っていた樫田の伯父の日記をきっかけに書かれたという同作は、コミカルな要素も含んだ若者たちの青春グラフィティとして描かれる。

 「僕自身は地元の宮城県石巻市で東日本大震災を体験していて、その時のことを思い出すと、戦時中の当事者は全ての瞬間に重みや辛さを思っていたわけではないのでは……と感じています。もちろん想像を越える苦しい瞬間があったと思いますが、それ以上に彼らはそこにある幸せを噛み締めて、“今”を全
力で生きていたのではないかなと。そんな彼らの日常と、歴史的にも重大な瞬間というものを繊細に意識しつつ、彼らの想いを取りこぼさないように生きていけたらと思います」

 キャストの1人である上田堪大は、小松が舞台キャリアの初期から共演を重ねる間柄。

 「当時共演させていただいた作品は、僕自身にとって非常に大切な作品の1つであり、その時間があったからこそ今の自分がいます。数年ぶりの再会なので積もる話を交わしながら、お芝居の中でも心を通わせていけたらと思います」

 また、以前から共演を熱望していたという安西慎太郎の名前も。

 「出演作を観劇した際に素敵な俳優さんだなと感じ、様々な現場で共演した方々からも安西さんは別格だと聞いていたので、いつかご一緒させていただけたらという気持ちが強くありました。他にも、初めてお会いする方や素敵な先輩方とご一緒できることに楽しみと緊張感があります」

 観る人にとって、そして小松自身にとっても忘れられない作品になりそうだ。

 「様々なことを考えさせられる題材ですが、皆様の心臓に何かが突き刺さるよう、全てのエネルギーを使って『あたっくNo.1』の世界を生きるので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います!」

(取材・文:西本 勲)

プロフィール

小松準弥(こまつ・じゅんや)
1993年生まれ、宮城県出身。主な出演舞台に、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズ、『アラタ~ALATA~』、『新・幕末純情伝』FAKE NEWS、舞台『刀剣乱舞』天伝 蒼空の兵-大坂冬の陣-/无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-、歌劇『桜蘭高校ホスト部』シリーズなど。今年は『ロミオ&ジュリエット』でパリス役を演じたほか、舞台『サンブンノイチ』、『猫と犬と約束の燈~2023編~』、朗読劇『あの空を。』、『呪怨 THE LIVE』と舞台出演が続いている。『あたっくNo.1』キャストの1人である牧田哲也は、舞台『刀剣乱舞』无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-などで共演。今回が舞台初出演となる別府由来とは、2021年に小松がドラマ初出演を果たした『仮面ライダーリバイス』で共演している。

公演情報

方南ぐみ企画公演『あたっくNo.1』

日:2023年9月22日(金)~10月1日(日)
場:俳優座劇場
料:一般8,000円
  U-18[18歳以下]4,000円
  ※要身分証明書提示(全席指定・税込)
HP:http://hounangumi.info/
問:方南ぐみ mail:hounangumi.info@gmail.com

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