人間ドラマに定評がある、新進気鋭の団体“SUPERNOVA” スチームパンクな世界観の最新作を上演 江田剛が復讐を目論むダークヒーローに!

 NOVA.companyが運営する演劇団体・SUPERNOVA。主宰の桐山瑛裕を中心に2022年7月の旗揚げ公演以降、常に新しいことを模索しつつも、人と人の心が通い合う様を丁寧に描いてきた。
 そんなSUPERNOVAが次に描くのは、電気がなく、蒸気だけが異常発達した世界を舞台にしたファンタジー作品。主演には江田剛を迎え、ウィッグや武器も2.5次元並みに揃え、世界観を固めた。新たな挑戦となる今作について、主演の江田を交えて、脚本・演出を務める桐山と、出演キャストでもある薗一輝に話を聞いた。

―――“蒸気”というワードや、歯車が公式ホームページで使われていることから、“スチームパンク”な世界観という印象を受けましたが、改めて今作の概要を教えてください。

桐山「世界観についてはおっしゃる通りです! 物語の舞台は架空の国で、そこでは電気が存在せずに、代わりに蒸気や火力というものが異常発達し、さらに“ネクロドール”という死者蘇生技術が生み出されています。いわゆる産業革命、フランス革命の要素も入っていて、人々が平等ではなく貴族・平民というような身分差もあります」

―――中世ヨーロッパ風の世界を舞台にしたファンタジー作品という感じですね。江田さん、薗さんの役どころは?

江田「僕はタイトルにもあるアギトを演じますが、“アギト”というのはコードネームです。王家直属の血筋を持つ貴族として生まれながらも、クーデターに巻き込まれ、家族も地位も奪われ、さらに爆発によって下顎までをも吹き飛ばされたという、なかなかハードな生い立ちの人物です」

桐山「“アギト”というのは顎という意味です。捻りもなくそのままですが……。この物語は彼の復讐の物語です」

薗「僕が演じるヴェルデューゴは、アギトからすると敵役になります。アギトと対立する軍側の中心人物で、まさに彼の復讐の対象ですね」

桐山「ヴェルデューゴはかなり残酷な一面が強調されていますね。殺陣も沢山あって、アギトをボコボコにします」

薗「イェーイ!」

江田「イェーイ!じゃないのよ(笑)」

―――江田さんと薗さんはもともと共演経験があるのだそうで……。

江田「そうなんです。丁度1年くらい前に舞台で共演しました」

薗「僕は主催側でもあるのですが、今回アクション要素満載のド派手な舞台をやるにあたって、主演を誰にオファーするか会議した時に江田さんの名前が挙がって、江田さんが主演を務めてくださるなら、この企画をやりましょう!ということになったんです」

―――江田さんありきだったんですね。

江田「ありがとうございますっ!!」

薗「それなのに僕にボコボコにされるっていうね」

江田「後輩として可愛がっていたつもりなんだけど……。今までの恨みつらみがこもってるのかな……」

薗「そんなわけない(笑)」

江田「(笑)」

―――サブタイトルの『-ultionem finalem-』はどういう意味ですか?

桐山「ラテン語で“最後の復讐”という意味です。とあるシーンのためのサブタイトルでもあります。すごく分かりやすいわけではないので、気づく人は気づくという感じかと思いますが、もしよかったら意識して観ていただけたらと思います」

薗「『ultionem finalem(ウルティオネムフィナーレ)』、噛まずに言えます? カーテンコールで毎日言わないといけなくなるよ」

江田「ウルティ……何だって? ……練習しておきます(笑)」

―――頑張ってください(笑)。作品についてや、薗さんとの関係についてお伺いしてきましたが、江田さんにとっての出演の決め手は?

江田「プロットを拝見した時に主人公が『ダークヒーロー』というのを見て、やります!と即答しました。僕、ずっと悪役がやりたかったんです。身長が低いせいか、可愛らしい役をいただくことが多かったので、クールな役に憧れがあって」

薗「本当に即答でした。前のめりで嬉しかったですね」

江田「ファンタジーも大好きだからね。それも相まって、すごく好きな世界観でした」

―――本番では吹き飛ばされた下顎を隠すためにマスクを着けていますが、だいぶ喋りづらそうですよね。

江田「ビジュアル撮影の時にはフル装備だったのですが、自分の顔と同じくらいマスクが大きくて……。そしてもちろん喋りづらいですが、それもアギトの設定上は自然な事というか、下顎がないので、どうしても舌足らずな喋り方になるんですよね。
 稽古はこれからですが、その分、表情や身振り手振りも加えてコミュニケーションをとっていくことになると思います。言葉に頼らず表現するというのは新たな挑戦になりますね。あと、表現でいうと殺陣に加えてダンスもあるんですよね」

桐山「あります! ゴリゴリのエンターテインメントです」

江田「一輝が沢山やりたいことがあるらしくて、それがどこまで実現するのか楽しみです。前回は花火をやったからそれ以上のことがしたいらしくて(笑)」

薗「そう、SUPERNOVAの前回公演『遠く吠えて花火をあげる』では火気使用の申請をして、物語の最後に線香花火をやるシーンを入れたんですよ。なので今回はもっと派手なことがしたんですが……劇場との交渉次第ですかね(笑)」

桐山「乞うご期待ということで……どうしよう、これで特に何もなかったら」

江田「お客様には『あ、劇場に申請が通らなかったんだな……』とそっと思っていただいて(笑)。本当に一輝の、というかSUPERNOVAの皆さんの熱量がすごいんですよ。1度打ち合わせも兼ねてご飯に行かせていただいたんですけど、企画について話す時の皆さんの顔がワクワクしていて。それを見ていて、僕もますます楽しみになりました」

―――ちなみに、皆さんはもしもこの世界から電気がなくなったら、どうやって生活をしますか?

江田「電気はないと……ダメです」

桐山・薗「(笑)」

江田「だってお風呂も沸かせないですよね? 夏ならまだ水でも……いや、無理だ。困ります(笑)」

桐山「僕の家、よく電気やガスが止まるんですが……」

江田・薗「えっ!?」

桐山「日常茶飯事なんですよ、(電気・ガス料金を)払い忘れちゃって。電気はないと不便ですよね。パソコンの充電も出来ないし……止まっちゃった時はチャージスポットを借りているんですが」

江田「冷蔵庫はどうしてるの?」

桐山「冷蔵庫はもともと壊れてから使ってないの」

江田「……クリエイターの方ってクレイジーですよね」

桐山「ちょっと引いてるじゃないですか(笑)!」

江田「規格外の人がいるからこの話題やめよう(笑)。少しベクトルが変わるけど、無人島に行って電気なしで生活できるかどうかって考えたらどう?」

薗「僕、虫が苦手だから無理!」

江田「あー、僕も無理だな」

桐山「僕もです」

江田「ダメじゃん(笑)! 結論、電気はないと困ります!! でも『アギト』の世界の人たちは電気がない世界で生きているんだからすごいよね」

桐山「代替するものはありますからね。様々なテクノロジーが発展していて、それを巡って戦争しているという……」

江田「そのくらい、エネルギー資源というのは大切なものだってことだね」

―――本編の話に戻していただいて、ありがとうございます! 物語の展開も楽しみですね。
 では最後に、観に来てくださるお客様に一言ずつお願いします。

薗「僕はSUPERNOVAの運営側になってからは2度目の出演になるのですが、客演の時とはまた違って、自分のやりたいこと、挑戦したいことを自ら盛り込ませていただいている舞台になっています。ぜひ楽しみに劇場にお越しいただけたら嬉しいです」

桐山「SUPERNOVAという団体は演劇を初めて観てくださるお客様に楽しんでもらうこと、演劇をもともと知っているお客様にはより一層演劇を好きになって帰ってもらうこと、『誰でも分かって、誰でも楽しめる演劇』を目標にしています。
 初めてSUPERNOVAに出演してくださるキャストさんも沢山いらっしゃるので、僕らが作るものを初めて観に来てくださるお客様も、もしかしたら観劇自体が初めてという方もいらっしゃるかと思いますが、“劇場”という場所を好きになっていただけるように、美しい世界を作り上げたいと思います」

江田「繰り返しになりますが、主催の皆さんの熱量だけでもすごくて、稽古が始まったら最終的にはどうなっちゃうんだろうなと……きっと熱い夏に負けないくらい、熱いカンパニーになるのではないかと思っています。今年の夏一番のエンターテインメントになります! ぜひお待ちしています!」

(取材・文&撮影:通崎千穂(SrotaStage))

プロフィール

江田 剛(えだ・つよし)
1987年10月24日生まれ、大阪府出身。2001年よりジャニーズ事務所に所属し、約10,000回以上のステージを経験。在籍中から、SHY BOYプロデュース『THE Foreigner』ザ・フォーリナー、HOTCHKISS『Night mare Hospital 〜七つの罪に花束を〜』、舞台『あやかし緋扇』など、数多くの舞台で主演を務める。事務所退所後も全国ツアーを行うなど、アーティストとしても精力的に活動しつつ、舞台出演を続けている。

薗 一輝(その・かずき)
1993年1月14日生まれ、奈良県出身。SUPERNOVAを運営するNOVA.companyの副代表。近年の主な外部出演作品としては、ぱすてるからっとproduce 舞台『リリーフ・ライト・ガン』、イベント企画OZ vol.14『蒼天の宴』、danke 14th produce stage『断罪室』など。

桐山瑛裕(きりやま・あきひろ)
1997年11月1日生まれ、青森県出身。SUPERNOVAの主宰であり、NOVA.companyの代表。SUPERNOVAの公演『雨降る正午、風吹けば』、『遠く吠えて花火をあげる』で脚本・演出を務めるほか、近年では朗読劇『カラフル』(原作・森絵都)、朗読劇『ほむら先生はたぶんモテない』(原作・せかねこ)の脚本も担当している。

公演情報

SUPERNOVA stage003
『アギト-ultionem finalem-』

日:2023年7月26日(水)~30日(日)
場:シアター・アルファ東京
料:SS席[最前列保証・特典付]9,800円
  S席 特典付8,500円 通常8,000円
  A席 特典付7,000円 通常6,500円
  B席 特典付5,000円 通常4,500円
  (全席指定・税込)
HP:https://www.agito-supernova.site
問:SUPERNOVA
  mail:supernova.info2022@gmail.com

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