Case.169 観劇中のおしゃべりを止めて
ハプニング1
観劇中に、前の人たちがおしゃべりを始めた。自分も気になるし、きっと集中して観ている周りの人も気になっている気がする。かといって、上演中に声を掛けて注意していいものだろうか。そういえば、帽子もかぶっているし。うるさいなぁ。あぁ気になってきた。上演中の役者も気づいてしまうのではないだろうか。さぁ、どうする?
ハプニング2
「え、なんですか⁉」「ですから、会話を……」「会話ってなぁに⁉」と、振り返ってきた人たちは、言い返してきた。どうやらこの人たちは、ほとんど観劇に慣れていないようだ。かといって、前説だってきちんとしていたし、周りも静かにしているのに。言い合いは止まらないが、もう劇に集中したいから心が折れてきた。さぁ、どうする!?
ハプニング3
聞こえないふりしてやり過ごして、少し気になりながらも観劇が進む。すると、隣の席の人がスマホを出し始めた。しかもスマホの明るさがかなり明るくて、夜の静かなシーンのはずなのに、隣が明るすぎて気になってしまう。と思ったら、前の人たちもまだ喋っているし。迷惑客に囲まれてしまった!
さぁ、どうする!?
診断結果
A西鉄ホールタイプ
だってもう1度は注意したんだから。周りの人も、注意されたな、と思って少し気が楽になったはずです。注意された人たちも、きっと少しは声のボリュームが小さくなることでしょう。いやなんで喋るんだよ。西鉄ホールだったら声が通りやすいので、1回で静まってほしい!
〈ラッキーラーメンにもう一品〉チャーシュー
B 博多座タイプ
どこまで伝えても伝わらない迷惑なお客さんっているんですよね。ステージと客席が遠いから、茶の間でテレビを見ている感覚のようになっているのでしょうか。博多座ぐらい距離感があったらそう思ってしまうのかもしれないけど、客席にいると気になってしまうものなのです。
〈ラッキーラーメンにもう一品〉煮卵
C福岡市民ホールタイプ
福岡市民会館が生まれ変わって、この春にできたばかりの福岡市民ホール。これから色んな劇が、色んな人生のきっかけが、ここで生まれることでしょう。今は観に来た人も全員が主人公になるはず。客席で歌いだすと、あなたが主人公になってしまうかもしれません!(歌わないでください)
〈ラッキーラーメンにもう一品〉のり
Dぽんプラザホールタイプ
福岡を代表する小劇場がぽんプラザホール。観やすくてアクセスもいい。だから逆に、少しお客さんに注意するだけでも、客席も演者も気になってしまうものです。小劇場だから、だんまりを決め込むしかないのでしょう。目の前の、若手劇団の一生懸命を応援してください!
〈ラッキーラーメンにもう一品〉ライス
今月のお言葉
時々仕事を離れて、少し他の気晴らしをしてみるといい。
仕事に戻ったとき、あなたはより優れた着想を持つことができるだろう。
―――――レオナルド・ダ・ヴィンチ(芸術家)
1 ヶ月ほど福岡に滞在して『見上げんな!』という劇を作っていました。故郷で創作するのは初めての体験で、博多弁が飛び交っているのも安心感がありました。福岡市民ホール開館記念、初演出に有難く思います。ということで福岡の劇場でタイプ分けしました。そしてその劇で大阪・東京と回って、劇が終わった次の日からイタリアに。監督しました映画『リライト』で映画祭に参加していたのです。イタリアと言えばダ・ヴィンチですよね。映画はいよいよ6月公開!
プロフィール
松居大悟(ゴジゲン主宰)
6月13日から、監督した映画『リライト』公開。
脚本はヨーロッパ企画の上田誠さん。観劇好き必見!